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血糖値は糖尿病を診断する際の指標の一つで、インスリンの不足・作用不足で高値となります

血糖値を下げるインスリン

生命活動全体の代表的なエネルギーであり、脳神経の唯一のエネルギー源であるブドウ糖は血液によって全身に運ばれていますが、その血中濃度を「血糖値」といいます。

エネルギー源が多く必要になった場合には、グルカゴン、コルチゾール、カテコールアミンなどの複数のホルモンが作用して血糖値を上昇させ、必要がなくなると膵臓から分泌されるインスリンの働きで血糖値を下げます。

血糖値は常に一定の幅に保たれていますが、血糖値を下げる唯一のホルモンであるインスリンが不足したり、なんらかの原因で十分に作用しなくなると、常に高値の状態が続きます。これが糖尿病です。

インスリンの作用が十分でない場合、その原因の多くは糖質の過剰摂取、肥満、運動不足、ストレスなど不適切な生活習慣にあります。発病には、作用不足を起こしやすい遺伝的要素も関係しています。このタイプの糖尿病を「2型糖尿病」といい、糖尿病患者の大半を占めています。40歳以上での発症が多いのですが、近年は低年齢化が指摘されています。

一方、自己免疫などが原因で膵臓に障害が起き、インスリンの分泌量が絶対的に不足して起こる糖尿病もあり、「1型糖尿病」といわれています。25歳以下で発症することが多くなっています。

過去1〜2ヶ月の血糖の平均的な状態を示すグリコヘモグロビン(HbA1c)

糖尿病の診断に欠かせない

グリコヘモグロビン(HbA1c)は血液中のブドウ糖(血糖)と赤血球のヘモグロビンが結合したものです。食事や運動などの様々な要因の影響を受けて、常に変化している血糖値に対して、グリコヘモグロビンの血中濃度は、過去1〜2ヶ月の血糖の平均的な状態を安定的に示しています。

そのため、グリコヘモグロビン値は、糖尿病の発見に利用されているほか、糖尿病で治療を受けている患者の血糖コントロールが上手く行っているかどうかを把握する際にも有用です。

検査値が高くなる理由は、上記の血糖値とほぼ同じです。数値が6.5%以上、かつ空腹時血糖値が126mg/dL以上であれば糖尿病と診断されます。

糖尿病になると毛細血管がダメージを受けるため、糖尿病神経障害、糖尿病網膜症、糖尿病腎症のいわゆる「三大合併症」になりやすく、様々な病気を合併してきます。

このうち最も早く現れるのは、神経障害です。具体的には、手足の痺れや痛み、冷えといった末梢神経の障害、下痢や便秘、眩暈、発汗異常など自律神経の障害などが現れます。

網膜症は、網膜の毛細血管が破れて出血を起こし、硝子体出血や網膜はく離になり、最悪のケースでは失明することもあります。腎障害は、腎臓の濾過機能が低下し、人工透析を受けなければ、有害物質を体外に排出できなくなってしまう状態です。

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