胸部のスクリーニング検査として重要な胸部エックス線検査
X線を体に当てて撮影すると、通り抜けやすい場所と、骨など通り抜けにくい場所とが、黒と白の濃淡のある画面として映し出されるため、体内の様子を見ることができます。
胸部X線撮影において、肺がんがある場合には、丸く淡い感じの白い影が認められ、肺炎や肺結核など炎症性の病気では、モヤモヤして境界が不鮮明な雲のような白い影が映し出されます。ただ、患部が背骨に隠れている場合には、発見が難しいことがあります。
検査技術や機器が飛躍的な進歩を見せている近年、胸部X線検査だけで各店診断をするケースはほとんどなく、多くの場合、更に詳しい状態を知るための2次・精密検査を行い、診断を確定させるのが一般的です。
健診などでこの検査が現在も広く行われているのは、胸部の代表的なスクリーニング(ふるいわけ)としての有用性が認められているからです。この検査で異常所見が認められたら、その時点で、病気の種類や進行の程度もある程度判断できることが多いので、医師の説明・指示にしたがって、2次・精密検査を受けます。
被爆の影響を考えると、短期間に何度もこのX線撮影を行うことは避ける必要があります。同様の理由で、妊娠中やその可能性のある女性は事前にその旨を医師に伝えて可否を判断してもらう必要があります。