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全身に酸素を運ぶ役割を果たしている赤血球が不足すると貧血になります

鉄欠乏性なら食事に注意

血液中にある細胞を「血球」といい、赤血球と白血球、血小板の3種類に大別されます。なかでも最も多いのが、肺から取り込んだ酸素を全身の組織細胞に運び、二酸化炭素を肺に送り返す役割を果たしている赤血球です。

赤血球の数が不足すると、酸素の運搬能力が低下し、各組織に十分な酸素が行き届かない状態に陥ります。これが貧血です。貧血には様々なタイプがありますが、圧倒的に多いのが、鉄分の摂取・吸収不足からくる鉄欠乏性貧血です。閉経前の女性に特に多くみられます。

健診では貧血を調べる検査として必ず血液を採取して、この赤血球数が調べられます。赤血球が多すぎる人もいて、この場合は多血症(赤血球増多症)といいます。

赤血球数が少なすぎて貧血になるのも問題ですが、多すぎて多血症になるのも、血液が濃いため固まりやすくなり、血管を詰まらせて、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなるため注意が必要です。喫煙や過剰なストレス、激しい運動も赤血球数を増加させる原因となります。

鉄欠乏性貧血の多くのケースでは、鉄分野ビタミンB12・C、葉酸を積極的に摂取することで状態が改善されます。鉄剤を中心とした薬物療法が行われることもあります。高値の場合は、骨髄の働きを抑制する薬を使ったりして治療を行います。

ヘモグロビン量を調べることで血液の酸素運搬能力が分かります

妊娠中の低値なら心配ありません

赤血球の主要成分であるヘモグロビンはヘムと呼ばれる色素とグロビンというタンパク質からできています。ヘムの重要な構成成分は鉄で、体の各組織の細胞が必要としている酸素はこの鉄と結びつくことで運ばれています。

血液中のヘモグロビンを調べることで、鉄欠乏性貧血などの有無が分かります。赤血球数が基準範囲内であってもヘモグロビンが少ない場合は、鉄欠乏性貧血を考えます。

ヘモグロビン量が多すぎる場合は、赤血球が多すぎる場合と同様に、多血症が疑われます。この病気には骨髄の造血細胞の増殖が原因で起こるタイプと、造血量を調整しているホルモンの分泌が増えることで起きるタイプの2つがあります。後者の場合、腎臓や肝臓のがんが原因となっていることもあります。

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